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お茶の話 その1

隠れた銘茶の産地『大鈩』

手摘み?手揉み?
  • 本来煎茶はお茶の芽を摘み取り、発酵を止めるために一度蒸す作業をしてから乾燥させます。この作業を昔は手で行っていましたが、生産性を上げる為と労働時間の短縮などがあって現在ではほとんど機械化されています。
  • 手による摘み取りはお茶の新芽を一つ一つ摘み取ってゆくものでポスターなどに登場する茶摘風景はこの時のものです。当然、人件費、生産力などの面で生産原価が上がりますために高価になりますが茶葉の品質は一番良いといえます。一方機械摘みといわれるものは昔は大きなはさみを使っていたためはさみ摘みとも呼ばれます。これも、現在では精度か上がっているため手摘みと遜色の無いものが摘み取れるようになりました。現在では手摘みは新茶の出る最初の頃に少量行い、温度があがって新芽の成長スピードが速くなるにつれ機械で摘み取るのが一般的です。皆様に提供できるのは機械摘みのものになると思います。
  • 手揉みとはその後の作業を手で行うもので茶葉の状態を見ながら乾燥させます。したがって、出来上がったお茶は最高級といわれるものになります。1日500g位しか出来ないこともありますので、茶葉の値段よりも人件費のほうが掛かります。しかし、機械で揉む技術もかなり高度になりほとんど手揉みと見分けのつかないものが生産されています。唯一手揉みの場合は乾燥させるのに使う”ホイロ”(和紙)の香りが付きますのでこの僅かな香りを嗅ぎ分けられる人のみが判るものなのです。私のところでは現在は機会揉みでやっていますが近所には手揉みの指導を全国で行っている人もおります。
何処のお茶?
あなたは畑の判るお茶を飲んだことがありますか?
お茶の産地は全国でも数々ありますが製品として販売されるお茶は夫々の産地で仲買人が生の茶葉を買いつけ製茶をします。つまり、製造業者が生葉を揉むわけですが、ここで生産した土地の条件により
  • 色の良く出るもの
  • 苦味の強いもの 
  • 香りの強いもの 
  • 全てが整ったもの
などを選別し調合(ブレンド)して、さらにお茶の上下をカットし、棒(茎)などを取り除きます。
したがって、広い意味で何処の産地のお茶とはいえますが私の住む大鈩のお茶のように狭い地域の名前は付けられなくなります。更に言えば一つの特徴が強く出た茶葉は価格も安いため生産コストも下がるわけです。これに、全てが整ったお茶を加え調整をします。さらに深蒸しの技術を利用し苦味の調整と深蒸しによる結果として粉が多くなりますので良く出て味が濃いものが製造されます。
幸い『大鈩』のお茶は全てが整ったお茶が採れます。より自然のお茶の持つ本来の味が生かされたものが作れるのです。
ですから一般に流通しているお茶とは一味も二味も違ったお茶を皆様に提供できるのです。

丸子はティーロードの起点
大鈩のすぐ近くに赤目ヶ谷と言う集落があります。ここに墓地がある多田元吉という人が日本の茶業の近代化に大きな功績を残した人だったということを最近知りました。
明治の初めにお茶の先進国だった中国、インドを命がけで巡り、栽培や製造技術、種類などを日本に持ち帰った。こうして江戸時代から続いていた古い製茶技術を近代的な方法へと革命を起こし、現在のように大量にお茶が生産できるようになったのだそうです。
さらに、この人のおかげで日本の紅茶生産が可能になったと言っても過言ではないそうです。
この多田元吉翁の顕彰碑が3月11日。起樹天満宮に建立されインド大使などを招いて除幕式が行われた。

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