東海道五十三次「鞠子の宿」のおおだたら

東海道(国道1号線)駿府(静岡市)を過ぎ、安倍川を渡るとまもなく「鞠子の宿」です。
古くから鞠子と表記していましたが現在は丸子と書いています。実はあのわらべ歌「♪てん、てん、てんまり。手がそれて…」の紀州の殿様の鞠が語源だとの話がまことしやかに伝わっています。その昔、参勤交代に江戸に上るとき、駿府は将軍家の直轄、家康公の隠居所でもあったことから、大名たちは手前の鞠子にて旅の垢を落とし、かしこまって駿府のお城に登城したといいます。
松尾芭蕉の「梅わかな 鞠子の宿の とろろ汁」と言う句が鞠子橋のたもとにあった「丁字屋」に伝わっています。
広重の東海道中五十三次にもこの丁字屋が描かれています。もともと鞠子は山間部の入り口にあたりますので天然の山芋が取れており、東海道の旅人に茶屋としてとろろ汁を提供していたものです。現在は以前より大きくなってとろろ汁の丁字屋として観光客で賑わっています。このとろろ汁は浅草・駒方のとろろ汁とは少し異なり、だしを取った味噌汁でとくもので天然の山芋のほかは何も入らぬ野趣あふれる料理です。
大鈩はこの丁字屋からから更に500mほど西へ行き東海道を右手に入った所になります。



これは2月の縁日の模様です

月に一度28日は、滝不動尊の縁日です。

1月と7月には大祭が開かれ大勢の人手で賑わいます。

村の入り口からおおよそ1km。

この日ばかりは全村歩行者天国の様相に
健康全般に霊験新たかな効果があるとか…。

水にかかわるお不動さんだけに周囲から湧き出る水を持ち帰る人も多く見受けられます。




滝不動尊の参道は水源近くに
朝市の風景です 沿道にはこの日は朝市が立ちます。
村中の農家や近隣の名物、食べ物屋さん、古着、雑貨などあらゆる出店が並んで参拝の人達を出迎えるようになりました。一昔前は1月と7月の大祭だけに人出があったのですが年々盛んになってきています。お近くにお出での節にはぜひお立ち寄りください。もちろん2軒の農家を訪ねて頂ければ歓迎します。


誓願寺山門
前回のNHK大河ドラマ「葵三代」では豊臣家の重臣・片桐勝元(小林念侍がやっていたので覚えている方も多いのでは)が比較的重要な役目(秀頼のお守り役)を果たしていましたが、あの『国家安寧』の梵鐘文字に家康がナンクセをつけたことから始まった夏の陣以後の徳川家との交渉役に破れ、自刃したのがこの誓願寺であるとの言い伝えがあります。もちろんお墓もあります。
誓願寺
誓願寺はその昔、頼朝公によって建立された地頭寺の一つで、臨済宗の名刹です。片桐勝元は駿府で家康と最後の交渉に臨み、秀頼の命乞いをしたのですが。聞き入れられなく、安倍川を渡って程なく合った誓願寺に休息します。そして、彼にとってその地位と格式に合う自刃場所としてこのお寺を選んだと伝えられています。
片桐勝元公墓所
天然記念物のモリアオガエルの生息地としても知られています。もっとも、モリアオガエルは大鈩ならどの家でも水場の上の枝や葉に泡の巣を作るのが観察されます。夜な夜な逢引のラブコールがうるさいこと…。

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